1587(天正15)年に豊臣秀吉が催した北野大茶会で、
利休の高弟・真如堂東陽坊長盛が担当した副席と伝えられています。
草庵式二帖台目席のつくりで最も規範的な茶室とされ、
茶室の西側には当寺の名物「建仁寺垣」が設けられています。
また栄西の誕生を祝する開山降誕会では「四頭茶会」と呼ばれる、
現在とは大きく異なったの手前作法で行われ、
闘茶や立礼といった禅院茶礼の古い形態を垣間見ることができます。
♪スキマ情報♪
前回の東福寺特集でも、北野大茶会の時のものを移築したと言われる茶室・観月亭が
霊雲院にありましたね!
「建仁寺垣」は、余りによく見かける形態だったので、取り損ねてしまいました!
きっとここの竹垣がその原型なのでしょう。
露地の一角には、武田氏の一族でもあった安国寺恵瓊の首塚がありました。
再び屋内へ。
本坊裏の「潮音庭」。
作庭は小堀泰厳老大師。建仁寺の管長さんのようです。
ここのお庭を監修した
北山安夫さんは、つい最近テレビでも紹介されていましたね。
どちらかと言えば、先程の枯山水の方に「潮音庭」を名付けたくなりましたが、
こちらも苔や木の緑と毛氈の赤が対照的できれいですね。
紅葉の季節にも訪れたくなりました。
東西の渡り廊下に挟まれ、限られた空間に自然の命を凝縮したこのお庭。
それを望む広々としたお座敷がよっぽど開放的で心地が良いのでしょう。
画像にはお一人しか映っていませんが、大勢の拝観者があちこちに腰を降ろして一休みしていました。
思わず足を投げ出してくつろぐ姿も。取材当時は猛暑日だったとはいえ、くつろぎ過ぎ(笑)!
面白い石でできた蹲。
この奥のお座敷へ。
普段は非公開の開山堂の楼門上に安置されているという陶製の十六羅漢像。
清水・五条近辺の陶工がそれぞれ一人一体ずつ、自分の得意とする方法で製作しているのだそう。
陶工達との親交や、清水焼の様々技法が伺える作品なのだとか。
さて、再び「風神雷神図」が登場です。
こちらは、ニューヨークでの展覧会への出展要請を機に、京都国際文化交流財団が最新デジタル技術と
グラフィックデザイナーの色調補正によって、特殊開発された和紙にプリントされたもの。
金箔の再現だけは、西陣の伝統工芸師が協力されたようです。
近頃の京都では、あちこちの寺院で大型スキャナーによって襖絵等をスキャンし、
現物に迫るほどの精巧な複製を作る事によって、その文化財を保存する動きが進められています。
どうでしょう?こちらの複製は、より細かな部分まで再現されているような気がします。
この円窓の奥の新しい建物は何でしょう?写経場かなあ…。
見どころの多い本坊。ここだけで結構な時間が流れました。
「○△□乃庭」に向かって置かれたテーブルと金魚鉢と、風鈴の音。
外の暑さに疲れた拝観者を迎え入れるような、おおらかさとおもてなしの心を感じました。