京都観光ポータルサイト - e京都ねっと

 
 

貴船界隈





第5回目。
いよいよ十二月です!今世紀も終わり、二十一世紀へ向けて何やらソワソワとする日々ですが、
私はマイペースに過ごしております(それしか出来ないのです)…
皆さん、いかがお過ごしですか?
今回は「寒い寒い(京都では2回連続して言います…)冬」にぴったりな温か~い京都をご紹介したいと思います。
冬の京都はとってもとっても大好き!なぜならば、美味しいお漬物(千枚漬けが特に有名ですが、
寒いこの時期はどのお漬物も美味しいのです)や鍋料理など見逃せない京都が一杯です!

そこで、超穴場をご案内します…
夏の川床で有名な京の奥座敷・貴船です!実はこの「貴船」に私は、冬に行くことが多いのです!
情緒たっぷりな奥座敷・貴船で癒しのあたたかな京都を過ごしてみてはいかがでしょうか。

「あったか京都!冬の旅」は身も心もほっかほっかです!

散策1

貴船までは、電車の場合「京阪電車 出町柳駅」から「叡山電車 鞍馬行き」に乗り換えます。
実は、この叡山電車がツワモノなのです。
四季折々の表情を浮かべながら山間を走り抜ける電車に乗ると、
そこからすでに素敵な旅の始まりを予感させる景色が次から次へと飛びこんできます。
約27分で「貴船口」に到着です。
駅から見る景色がまた絶景です!
(もちろん、京阪電車以外にも JR京都駅から地下鉄・市バスで行くことも出来ます。
私の一押し・叡山電車から見る景色を知らない方は是非、この機会に乗ってみて下さい…
紅葉はもちろん、桜や新緑の季節もとっておきです)

散策2

「貴船口駅」からオフシーズン中はバスが運行していないので、
徒歩で駅からまっすぐ北に上がって道に出てから貴船川に沿って歩いて行きます。
(この道は、芹生峠を越えて丹波、若狭へと通じていく道なのです)

奥座敷だけあってさすがに冷え込みますがこの辺り、本当に冬が格別なんです!
雪景色が似合う場所です。
また、名所・旧跡が点在している地域としても知られていて、みどころがいっぱい!
今も昔も変わらない女心と出会える…そんな素敵な所です。

百メートルほど歩くとすぐに見えるのが、「蛍岩(ほたるいわ)」
その名のとおリ、6月下旬から貴船の蛍が見られる名所です。
遠く平安の昔、宮廷の女流歌人・和泉式部(いずみしきぶ)が貴船神社に参詣して
恋の成就を祈り詠んだ 「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る」
この歌は、蛍岩近辺の光景だと言われています。
昔は、蛍岩から貴船神社にかけて何処ででも蛍の乱舞が見ることができたらしいのですが、
最近はその数も減っているとか…それでも美しい自然に出会えるこの場所がやっぱり好きです。
大切に残して行きたいなっ。。。

散策3

貴船川に沿って、更に北へ歩きます。
貴船川は全長約3kmで、鴨川・淀川の源流の一つ、清らかな流れは今も昔も変わることなく
人々と自然を支えています。
あゆ・いわな・にじますなどの清流のみ生息する川魚も泳いでいるのです。

貴船神社の南入口。石段を登ると「本宮」があります。
古来より水を司る神として、人々はこの社を大切にしてきました。
創建の時期はあまり定かではありませんが、
現在の社殿は文久年間(1861~64)のもの言われています。

この貴船神社にまつわるお話は数多くあるのですが…
社伝では、神武天皇の母である玉依姫(たまよりひめ)が、大阪なにわ(大阪湾)から黄色い船に乗り、
淀川から賀茂川、鞍馬・貴船とさかのぼって、ここに上陸されました。
それにはお告げがあり、社殿を建てて神様をお祀りすれば国土を潤し、
庶民に福運を与えるものとされたと言われています。
これは、貴船が賀茂川の源流の一つであると言うことから成立した平安カ以降の伝説とされています。
それほどまでに、崇められているのだろう…と言うことではないでしょうか。
貴船(キフネ)の語源は、この伝説に登場する黄色い船・黄船(キフネ)から起こったとも言われています。
この神社の凄いところは、民衆の間での信仰も絶えず、
心願成就・えんむすび・航海安全・火伏せ・消防の神様としても御利益があるとのことです!
御神水・水占(みずうら)みくじ・絵馬の奉納が特に有名です。

お伽草子による貴船物語(オニは外…豆まきのお話)では、
「姫は貴船の神となり、男女の恋路の手助けに」なったと言われていますよね。

 

散策4

ちょっと休憩したい感じ…と言うわけで、川床料理が楽しめる料理旅館が
両側に軒を連ねているその間を通りぬけると、貴船ギャラリーがあります。
ここでは、京都を中心に関西で活躍されている様々な作家さん達の作品が展示されています。
建物の雰囲気がまたいい…あったまる空間がココにあります。

この建物は、150年前の滋賀県・庄屋家屋を移築されたものとか…
オーナーの心意気で始められたギャラリーは、旅をより楽しいものにしてくれます。
作品それぞれに、エピソードや思い入れがあり、グルッと1周するだけで見ごたえたっぷり…
特に気に入ったエピソードは、阪神大震災の時に、神戸で震災に遭われた骨董店のご主人が、
割れた古美術を捨てきれずに破片を拾い上げて大切に持っておられたものを、
滋賀県の作家さんが加工してネックレスにしたというもの…とっても素敵なネックレスです!
そんな、優しい心がここにありましたよっ…新しい貴船に出会えた、そんな感じです。
コーヒーがとっても「おいしかったぁ。」500円

貴船ギャラリー
075-741-1117
11時から17時
不定休

散策5

さらに北へ進んで行きます。あちらこちらに「恋の道」と書かれた木の標識が目に入ります。
LOVE☆LOVEロードと言うわけで、カップルにも人気のスポットになっている…らしい。
が、私は女友達と共に出かけ、「いい人と出会いますように…」なーんて、お祈りするのでした。
今回は、京大生の仲良し三人組と出会いました。(女同士もおもしろいよねっ。)
この辺りを歩くと、京都市内なのに遠くへ旅をしに来たようなリラックスした気持ちになります。
京都在住の人も是非、出かけてみて下さい。身近に、癒しの時を過ごせる!

 

 

料理旅館が建ち並ぶ中、今回は右源太を訪れます。
貴船には、温泉はありませんが、各旅館には風情たっぷりなお風呂があります。
この旅館では、昼ごはんを食べると、何と無料でお風呂に入れるのです!
右源太の「岩風呂」に入って、日頃のつかれを取り除いてみては!ゆっくりつかって温まったところで、
冬には欠かせない名物「ぼたん鍋」を戴きまーす。。。
何とも贅沢な旅です。

 

 

美しくぼたんの花の様に盛り付けられた猪肉は、柔らかくて臭みがなく、とっても食べやすい!
この時期だけの楽しみです。値段もお手頃で、お母さんを連れて親孝行をしてみてもいいかもっ!
喜んでもらえるね。

「ボタン鍋」(11月~3月) 、
「季節のおべんとう」など。
この地区ならではの土産物もありますよ。



お風呂に入らないなら、隣の貴船倶楽部がおすすめです!
豊富なメニューでしかもお手頃な値段!郷土料理が堪能できます。
その上、インテリアもいいので、是非立ち寄ってみて下さい。
アンティークな椅子が気に入りました。

湯豆腐膳 2,800円
猪肉のハリハリ鍋御膳  2,800円
その他、喫茶メニューもあるのです。
お味もGOODでした。

 

 

土産物 土産物 貴船倶楽部
土産物 土産物 貴船倶楽部

散策6

右源太を出て、北へ…すると料理旅館「ひろ文」さんのとなりに小さな石段があります。
結社(ゆいのやしろ)」と言って、貴船神社の中宮にあたる神社があります。
古くからえんむすびの神様として知られていて、
平安期より貴族から庶民に至るまでたくさんの人々がお参りしているところです。
石にかかれているのは、和泉式部が詠んだもので夫の心変わり悩んでお参りした時の心情
「物思へば沢の蛍も我が身よりあくがれ出ずる玉かとぞ見る」
意味:あれこれと思い悩んでここまで来ますと、蛍が貴船川一面に飛んでいます。
そのはかない光は、まるで自分の魂が体から抜け出て飛んでいるようでございます。

散策7

そして、次に更に北へ。左源太という看板が見えてきます。
ここでは、オフシーズンの土・日曜日に映像作家達の作品を上映しています。
貴船に来て新旧の芸術に触れ合ってみては!
もちろんカフェとしての利用もできます。

 

左源太の北側にある橋を「思い川」と言います。
昔、おものいみ川と言って、貴船神社に参詣でする時には、
この川で禊(みそぎ)をして身心を清めたと伝えられています。
和泉式部も参詣して恋を祈ったということから「思い川」と言われるようになったとか…
ロマンチックな橋を渡ってみてね!

紅葉が終わると、京都に静けさがやってきます。
賑わいを見せていた場所も何だか寂しそうで…
雪が降る頃、それがまた生き返ったような表情を浮かべるのです。
京都の冬は底冷えで、寒い寒い冬なので、東北地方とはまた違う厳しさです。
でも、この雪化粧を見ると、何とも美しい何とも穏やかな気持ちになってしまうのです。
こんな時、身近に癒される空間があることを感謝します。
オフシーズンとなる京都は、冬が穴場で以外に安く、ゆっくりと過ごせます。

どうか、一度あったかな京都 をこの冬に探しに来てみて下さい。
また、いつもご覧頂いてありがとうございます。


一言コラム

naka再びお天気に恵まれた先週末。 枝垂れ桜の半木の道と鴨川の菜の花の対岸で、友人がお茶会を開いてくれました。 お互いにお湯とシート...[続きを読む]
e京都ねっと
当サイトへのリンクは自由です。
よろしければ、↑上記のバナーをお使いください。