時計は3時を指している。平年なら境内ではねず踊りが行われるはずなのだが、一向に始まりそうな気配がない。係の方に伺ってみると今年は雨天のため、屋内で行われるとのこと。急いでお寺の中に入った時には既に見学者でいっぱいだった。
はねず踊りが行われるのは「卒塔婆小町像」と「文張地蔵尊」が安置されている「能の間」だ。衰えた小町像の前で小町に扮したピチピチの小学校高学年の女の子が舞うのも面白いものだ。小町役、少将役、それぞれ4人ずつの少女が舞う。少将は狩衣姿かと思いきや、小町とよく似た小袖に笠の姿。はねず踊りは昭和48年に復元され、当時は少将役は男の子だったが、白塗りの化粧と女物の着物が恥ずかしがられ、いつしか女の子が演ずるようになったという。
はねず踊りの歌は、深草の有名な少将百夜通いをモチーフにしたものだが、一般に知られている話とは少し違う。小町の元に98夜通い詰めた少将だが、99日目、雪がひどいのを理由に他の人に代わってもらった。ところが小町の気が変わり。「100夜には足りないけれどお上がりなさい。」と家に招き入れる。それで代人を立てたのがバレてしまい、少将は振られてしまった。小町はそれから少将の事はすっかり忘れ、里の子供達と遊んで老後まで楽しく暮らしたというもの。
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今年は雨天のため室内で行われたはねず踊り

例年ははねず梅が香る境内で行われる |