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嵯峨野
四条大宮から京福電車に乗り、終点の京福嵐山駅で下車。「
源氏物語
」、「
平家物語
」など多くの文学作品の舞台になった嵯峨野を廻ってきました。
四条大宮へは、京都駅より地下鉄烏丸線で四条烏丸へ、烏丸駅で阪急線に乗り換え一駅です。
←*地図をクリックすると拡大できます。
嵯峨野付近の地図を印刷してお使いください。
嵯峨野,化野念仏寺,大覚寺付近の詳細地図はこちら!
嵯峨野、野宮神社
駅から少し歩き、路の両側からさわさわと覆い被さってくる竹林の小道を行くと、縁結びのご利益で知られる
野宮神社
が見えてきました。クヌギの丸太でできた黒い鳥居が目を惹きます。「
源氏物語
」には、伊勢神宮の斎宮に選ばれた皇女が篭り身を清めた斎宮跡と書かれています。
人力車のお兄さんが奥の祠をカップルに案内していました。「こちらは特に御予定がない限り拝まないでくださいね。」苦笑する男性、光る女性の眼。そう、安産のご利益もあるというわけです。秋篠宮ご夫妻も訪れ、子供を授かったそうです。
さらに歩みを進めると、一軒の民家に
「日本一ちいちゃな美術館」
と標識が出ていました。入場料100円を竹製のポストに入れ、引き戸を開けると・・・。目の前に大きな黄色い花が飛び込んできました。そう、ゴッホのあの絵です。
クリムトの接吻など世界の名画に加え、ブラッドピッドの肖像画まで壁は油彩でいっぱいです。複製の印刷物にはない生の絵の力が感じられます。アイスハーブティーを頂き涼みながら、ご主人のお話を聞きました。
こちらではフランスの模写専門の画家に、写真を基にした油彩肖像画の製作、名画の模写を依頼できるそうです。
嵯峨野、美術館
私は
五山の送り火
の鳥居形だけ見たことがありません。それならばと一之鳥居方面を目指すことにしました。レンタルサイクルで自転車を借り、裸の大将記念館(※平成12年で閉館しています)などを横目に先へ先へとペダルを漕ぎます。
途中左手に石段があり、登るとそこは
化野念仏寺
でした。
この寺は弘法大使が寺を建立し、法然が念仏寺と変名したものだそうです。
拝観料500円を払って中へ入りました。賽の河原には十三重石塔を中心に無数の石仏や石塔が並べられています。その石仏達はみな同じ方向に顔を向けています。西方、極楽浄土を想っているのでしょうか。
離れの建物にはプリントが置いてありました。「豆腐」という詩のようなもの(信仰はお豆腐のようになることです。)
―――中略―――
味がないようで味があり 平凡に見えて非凡、「俗世間つもりちがい十カ条」などなかなかユニークです。たくさんの無縁仏に感傷的になった私を、少しなごませてくれました。
嵯峨野 化野念仏寺
もとの道へと戻り、町屋風の民家や藁葺き屋根の民家が立ち並ぶ中、さらに北へ向かうと
嵯峨鳥居本町並み保存館
がありました。
管理人のおばさんが町のミニチュアを指差しながら昔の町並み、土地について教えてくれます。「8月16日の
五山の送り火
、あれの鳥居形があるのは、ほらこの蔓陀羅山ですわ。」
保存館を出るとすぐ一之鳥居が。これが送り火の鳥居形のルーツかとしばし見上げていました。鳥居を見て満足した私は近道しようと横道へ入ったところ、人面岩!?口から水がチョロチョロと申し訳程度に流れ出ています。(人面岩?)
そろそろお茶でもしようかと、近くに居たおじさんにいい喫茶店はないかと尋ねたところ「この近くにコーヒーをサイフォンでこしらえてくれるとこあるで。」と
茶房 きすけ
(七を三つに助という漢字です。)を教えてくれました。
シンプルなつくりの店内、カウンターの向こうでマスターが一杯ずつ丁寧にコーヒーを作ってくれます。サイフォンにアルコールランプ、水がコトコトと沸騰していきます。それを眺めながらのんびり待ち、いただいたアイスコーヒーは格別でした。
大沢池
屋形船
一息ついて元気回復。「よし、池まで行ってみよう。」と
大覚寺
まで軽快にペダルを漕ぎました。大覚寺の右手には大沢池がひろがっています。
ここでは毎年、嵯峨天皇が9世紀初頭始めたと言われる「観月の夕べ」が行われていて、今年は9月10〜12日です。屋形船、お茶席に琴・・・人々は平安時代と変わらぬ名月に酔いしれるのです。今日はまだ屋形船も出番を静かに待っています。
大覚寺は写経道場としても知られています。私も挑戦してみることにして、入門コースを選びます。下書きされた般若心経を筆ペンで一文字ずつ丁寧になぞり、最後に願掛けをしました。
大覚寺を後にし、北に向かう途中でこんなものを発見!
野菜の自動販売機。
それから直指庵に向かいたかったのですが、拝観時間が終わってしまったので泣く泣く断念。「また来るぞ」そう心に決め自転車を返却、京福電車で帰路に着きました。
私は今回駆け足でたくさんまわってきましたが、のんびりふらふら散歩するのも良いと思います。ちょっと寄り道、思わぬところに迷い込んで、小さな発見を楽しめる。嵯峨野はそんなところです。みなさんも嵐山から、少し足を延ばしてみませんか?そして春夏秋冬、嵯峨野の表情が変わるのを肌で感じてください。きっとお気に入りの場所になります。
さんぽ 徳田周吾
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