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京のお話

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園山明子さんの

美人のオーラを作る礼儀作法


最終回 あとがき 〜周りへの思いやりから生まれる形〜

 とうとう最終回を迎えました。40回から成る「心の礼法」、いかがでしたか? 美人のオーラを少しずつでも身に付けることができたでしょうか。 礼儀作法とは、見映えを良くするためだけのものではありません。 無知な人を見下げるための知識でもありません。 身の回りの人々との暮らしの潤滑油なのです。

生活のマナーは、スポーツのルールに似ているように思います。 ただ、スポーツには審判がいて、笛やサインでルール違反を注意してくれますが、生活のルールは、違反したといしても、それは常識を知らない人として評価を受けるだけです。 私は、生活のマナーである礼儀とは、決して堅苦しいものとは考えていません。 様々な経験から、「心が第一にあって、それに付随して形がある」ということを強く感じてきました。 近年、私は、私たちの先人が育んできた礼儀の基本をすばらしい日本文化として守りつつも、今の社会に適した観点から、無理なく気取りなく、分かりやすい礼儀作法に置き換え語り歩いてきました。

 人という字は、人と人が支え合っている姿を文字にしたものと教わった小学生のころ。その意味の深さは、当時は知るよしもありませんでしたが、年齢を重ねるごとに「人間は一人では、決して生きていけない」ことを確かなものとして感じるようになってきました。 特に四十路の坂を越えるころからは、人との関わりが私の人生のレールを一つの方向に着実に導いていてくれるようにさえ思います。 誰しも、ときには人間関係がうっとうしくなり、一切の関わりを断ち切ってしまいたい思いにかられることがあるものです。 しかしながら、ありがたいことに私の半生は、煩わしい関わりよりも、うれしい出会いの方が圧倒的に多いものでした。 そして様々な出会いの中で感じてまいりましたのは、人と人との間の無言の礼儀というものの大切さです。

 私はこれまで日本古来からのすばらしい着物文化の伝承をライフワークとし、活動を続けてきました。 長い間に学んできたこと、それは着物を通じての人としての礼儀であり、物を大切にする心でした。 そして四季ある日本ならではの季節の楽しみ方や色彩感覚を身につけること等、数え上げれば枚挙にいとまがありません。 そんな着物と一体となった生活を楽しみながら着物講師として多くの生徒さんと共に学んできましたが、着物教室を持つうちに礼儀作法という言葉に壁を作っている方があまりに多いことに気が付きました。
そこでもっと身近な礼法をと、形から入るのではなく、心から入っていく「心の礼法」を語り歩き始めたのです。かつては、そんなことを他人がしなくても、母親が担っていたように思います。 今は、核家族化や女性の社会進出と相まってか、家庭での子供へのしつけが、かつてとは形を変えているようです。 着物教室は今や母親変わりであるとも思っています。 とはいえ、着物教室で共に学ぶ生徒さんは、ほんの一握りの方々にすぎません。

 掲載されたコラムの反響には、いささか驚いています。多くの方に読んで頂いている手応えを感じつつ、「心の礼法」は、世の中が複雑になればなるほど、人が生きていく上で必要なものかもしれないとの思いを強くしているところです。 これまで、おごらず謙虚でまた物事に対して前向きな方と席を共にし、心地よいひとときを過ごさせていただいたことが数々ありますが、あとでその時の場面を思い起こしてみますと、さりげない礼儀をわきまえていらっしゃる方であることに気が付きます。 一方、後味の悪い出会いもいくつかあり、それは、礼儀を知らない常識を欠いた言動に他なりません。 そういう方々の中には、人の手本となるべき立場の方である場合もあり、周りにいやな思いをさせていることに一向に気付いていらっしゃらない様子に、失望したことが何度かありました。 三十年近く、着物を通しての礼儀作法を学び、研究しつつ、多くの方々に語ってもきましたが、今私が一番強く思うのは、周りの人々が心地よい思いでいられる―そうすることのできる人こそ、本当の礼儀を知っている人だということです。 これからも、健康である限り、「心の礼法」を語り歩きながら、私自身「心ばえを磨く努力」を、生涯続けていきたいと思っています。

これからは皆さん自身が美人のオーラを求めて更に磨きをかけ、それを大切な人たちに伝えてゆく番です。
ふと周りを見回してみたり、目に見えないものに心を向けるゆとりを持つことが大切だと思います。

これからも一緒に、オーラを放つ美人をめざしましょう。

『心の礼法 〜こころのおしゃれ 凛〜』より
まとめ:e京都ねっと 小山



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