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京のお話

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市田ひろみさんの

京都論


第35回 立派におつとめするんやで

もうすぐおひなさま。 平安貴族の婚儀の様子を自分の家の中で飾って眺めるという面白いお祭です。 昔に比べて今は女性も仕事を持ったり、家以外で簡単に食事をすませたりもできる世の中になりました。  

 離婚を「バツイチ」「バツニ」と呼んで、カラッとやりすごすことのできるようになったご時世です。一九九二年には十八万組が離婚しているそうですから、出戻りが肩身の狭い思いをすることもなくなりましたが、やっぱり結婚は人生の一大事なのではないでしょうか。

 河原町筋の大きなお屋敷へ、ご婚礼のお支度にうかがったときのことです。 朝早くのお式でわたしがお宅へ着くと、その家のおばあさまはすでにきちっと身支度をととのえて、お座敷に正座しているのです。 用意の間も、じっとお嫁にゆくお孫さんを見つめておりました。 そして、最後の支度があがると、お孫さんのほうに向き直り、たったひと言「立派におつとめするんやで」といわれました。

 わたしはその光景を見て、身が引き締まる思いがしました。 千鈞の重みのあるひと言です。夫に仕えろ姑に仕えろなどと、余計なことをいう必要はなかったのです。 「おつとめ」を狭く考えれば、家族につくすことかもしれません。広く考えれば世の中につくすことかもしれません。 なにを「おつとめ」と考えるかは、お嫁にいくお嬢さん自身が考えなければいけないことです。

 余計なことをいわずに、ビシッとひと言できめたおばあさまの凄みに圧倒されました。 お嬢さんも、きりりと背筋をのばしたおばあさまを見つめていました。 人生の一大事を伝えるときは、案外言葉かずが少ないものなのだと思いました。

市田ひろみ著「ええ女の作法四十四の極意」より

良い子は良い親から生まれるものです。「子供がいる」「ある程度年を重ねている」からといって=「母」という考え方では良い母、良き妻にはなれません。自分の周りの人に対して気配りができ、それを自分の家族にも伝えることができる女性が本当の「母」、「妻」だと思います。

まとめ:e京都ねっと 小山



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