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王妃は全く姿勢が崩れない
タイのシリキット王妃やスウエーデンのシルヴィア王妃とごいっしょしたことがあります。 王妃は脚を組むとき、いちばん美しく見える形に組み、脚を斜めに流すようにします。 そうして一度座ると、そのあとは一時間くらいそのままの姿勢。 全く姿勢が崩れません。 みごとなものです。 あのような姿を見てしまうと、(あぁ、王妃になるのはあきらめよう・・・)と思ったりします。
また、アメリカ東部のニューポートであるディナーパーティーに招かれたことがあります。 正式なパーティーでした。 パーティーはカクテルから始まり、そのあと席に座ってのディナーパーティーになるのですが、カクテルタイムのときに貴婦人たちを見ていて感心したことがあります。 どの人も「ふーん」とか「へーぇ」とか相槌を打たないのです。 小首を傾げるだけで、黙って話を聞いています。 私だったら人の話を聞くときは、「あぁ」「ほんま」「へぇー」などとうるさいくらいに合いの手を入れます。 そのほうが相手が話しやすいと思うからです。 しかし、ニューポートの貴婦人たちはなにもいいません。それでいて冷たい感じはしません。にっこりほほえみながら相手を見ているので、話している側は(あぁ、聞いてくれているんだなぁ)と思えるのです。
エレガントとうのはこういうことなのかと感心し、こういう話の聞き方もあるのかと思いました。 見ていて少しも相手を不安にさせるものがなく、若くてもみんな非常に落ち着いています。
落ち着いた振る舞いは訓練の賜物
高貴な人たちのあの落ち着いた振る舞いは一朝一夕で身につくものではありません。 おそらく小さいときから躾られた訓練の賜物だと思います。 あそこまで徹するのは難しいことですが、私たちもできることから少しずつでも美しい振る舞いを身につけていきたいものです。 小さいことから始めるといいでしょう。
例えば、お茶碗でもコーヒーカップでも把手がないときは、右手で持ったら、左手を底に添えるときれいに見えます。 片手で飲むよりもずっとエレガントです。食事のテーブルでひじを突かないのは常識だと思うのですが、最近はレストランなどでひじを突いて食べている女性を見かけます。 あれは見苦しいのでやめたほうがいいでしょう。グラスやコーヒーカップについた口紅は、すぐにナプキンでふきとります。べったり口紅がついたカップというのは見ていて興ざめするものです。ナイフは刃を自分のほうに向けて置きます。 飲んだり食べたりするときはその人の品性が出やすいと思いますし、男性は案外よく見ているものです。
年齢相応の周りの人が安心して見ていられる所作を身につけたいものです。
市田ひろみ著『ええ女の作法 四十四の極意』より
人の話を聞くとき、しつこい程に相槌を打っていると相手に野暮ったい印象を与えます。 まずは少しでも長く美しい姿勢を崩さないよう心掛けてみてはいかがでしょうか。 微笑みながら静かに頷き、じっと相手の話を聞く。 そう、特に大切な人との会話でも・・・。
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