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京のお話

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市田ひろみさんの

京都論


第12回 おしゃれはいくつになっても楽しい

「何年、女をやっているの?」

私は自分のきものを選ぶとき、第一印象を大事にします。展示会に行くと、目移りしそうになりますが、(いい色やなぁ)とか(いい模様や)とぴんとくる一品に出会えることがあります。私は迷わずそれを買います。 

 自分の直感を頼りにすると、買い物はたいてい失敗しません。女を何十年もやっていると、きものでも洋服でも自分にどんな色や柄、デザインが似合うのか、だいたいインプットされているからです。 だから、どんなきものを着たとき、自分がきれいに見えたか、周りの人がほめてくれたか、そういうことを思いだせば、自然と自分に似合うきものがわかるはずです。

 洋服なら丈や形など、自分に似合わないデザインを消去していけます。 しかし、きものとなると色と柄だけで選ぶわけですから、自分になにが似合うのかをわかっていないと、なかなか選べないものです。自分にどんな色や柄が似合うのか、大人の女性なら知っておきたいものです。

 今でこそ第一印象できものや洋服を選んでも、失敗はしなくなりましたが、私だって最初からそうだったわけではありません。けれど、失敗こそは成功のもと。いろいろ試したからこそ、自分にどんな色や柄やデザインが似合うのかが、よくわかったのでしょう。  

 きもの選びも基本的には洋服を選ぶときと同じです。八十歳を過ぎても、自分のために50万円をこえる訪問着を買える……。とても素敵なことだと思いませんか。経済的な問題だけではありません。たとえお金があっても、八十歳を過ぎると、普通はいいものを着たいとか、おしゃれでいたいという気持ちが持てなくなってくるものです。気持ちが涸れて、自分のためになにかしたいという意欲が薄れてしまうのです。反対にいくつになっても、おしゃれができる女性は、若々しく前向きでいられます。

 私もいくつになっても、おしゃれに対して意欲を持ち続けたいものです。

市田ひろみ著「ええ女の作法四十四の極意」より

 そろそろお嬢さんのご卒業のためのきものを考え始めている方もいらっしゃるかもしれません。 今年の春に、とある大学の卒業式を見ましたが、やはりどんなにきれいなドレスを着ていても、華やかな着物に勝るものはありませんでした。 どうしても洋服だと着物の陰にかすんで地味に見えてしまうようです。 それはやっぱり、着物はあらゆる日本の女性の美しさを最大限に生かすことのできる民族衣裳だからなのだと強く感じました。

 卒業式などに関わらず、お茶会、結婚式・・・あなたも人生の節目節目にとっておきの一着はいかが?

まとめ:e京都ねっと 小山



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