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京のお話

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市田ひろみさんの

京都論


第10回 おばんざいの名人までとはいかなくても

これから家庭を築いていく女性が「得意なのはカレーライス」で、仕事で忙しいからといって、料理が下手でも構わないというのでは、女性としてちょっと情けない話です。

 私のサロンで働いているスタッフは、みんな家庭を持って子育てをして相当に忙しいはずですが、料理が下手で、既成のお惣菜ばかりですませているのかというと、決してそんなことはありません。 若いときから冷蔵庫のありあわせの材料で一品作ったり、仕事で帰りが遅くなっても、短時間で献立を考えてしまったり、実に手際のいい料理をしています。 味も悪くありません。 あれが苦にならずにできる人たちだからこそ、仕事も家庭もうまくやっていけるのでしょう。 賢い女性は料理がうまいといいますが、仕事ができる女性は、往々にして料理もうまいもの。

 京のおばんざいというものがあります。 例えば、ダイコンを買ってきたとき、最初の日はダイコンは新鮮ですから、なますにしたり、あえもの、ダイコンおろしなどにします。 次の日になると、田楽にします。そのあとになりますと、ダイコンはいささかくたびれてきます。 そうしたら今度はおでんを作ったり……。  おばんざいの名人とはひとつの素材を無駄にすることなく、どれだけのメニューを作れるかということなのです。

 おばんざいの名人までとはいかなくても、ひとつの食材からせめて二、三種類の料理を作れるようになりたいものです。 そうすれば、材料を腐らせたり捨てたりすることなく、楽しく料理ができます。 手料理のレパートリーは少なくとも二十種類は欲しいところ。自分が何種類くらいの料理を作れるか、指を折って数えてみてください。

野菜料理、肉料理、魚料理、鍋料理、パスタ料理、カレー……。それぞれに二、三種類ずつ知っていたら、二十種類くらいは簡単にクリアーできると思います。あとは 材料をアレンジして応用すればいいのです。

 料理上手な人はやはり親の手料理を食べて育った人に多いように思われます。 比較的早い時期から見よう見真似で料理を作り始めるからです。 自分で本を読んだり、テレビの料理番組を見たりして研究し、あとはとにかく手を動かして作ってみることです。

 ちなみに私も料理は大好きで、ありあわせの材料で作る名前のない料理や無国籍料理などが得意です。 

市田ひろみ著「ええ女の作法四十四の極意」より

 空いた時間に気が向いた時だけ、基本のおかずさえ未だ本を広げて作っている私にとっては耳の痛いコラムですが、料理上手になるコツを分かり易く書かれているので紹介させていただこうと思います。先生は女性のこととしてお話されていますが、基本的な料理くらいは男性、女性どちらも覚えて当然だと思います。自分の体のためにもなるし、大人のたしなみといったところではないでしょうか。

まとめ:e京都ねっと 小山



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