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京のお話

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市田ひろみさんの

京都論


第4回 京都人はラテン系

前回までは主に女性に向けたお話でしたね。
今回は京都人気質にまつわるユニークなエピソードをご紹介いたします。

ラテン系の人にすれば相手の人間の評価は最初はゼロなのです。 人というものをまったく信用していない。 自分もいいかげん、相手もいいかげん、信用なんて出来ないのです。 だから「時間守ってきちんときたがな」と見直して、プラス一点。 商談の前にちゃんとサンプルを持ってきたら「へぇ、なかなかやりまんな」ということでまた一点。 そのあと接待すれば「なんやええ店で食べさすな」と、またまたプラスされるわけです。

 ところが日本人は、最初から相手を信用してしまう。 時間は守る。 商売のルールも守る。 真面目で、それを相手にも求めてしまうのです。 だから相手が時間を守らないと減点です。 サンプルもってこいといったのに、もってこないで明日届けるだと?また減点。 外国へ行ってそんな期待をしても無理なのに、やっぱり期待をしてしまうのです。人がいいというか、損をしやすいという短所にもなります。

さて京都人ですが、日本文化の伝統を担うこの町はというと、これがプラス思考なのです。 最初はどんな客か、どんな紳士か、そんなことはわからない。 一見さんはゼロですからおことわり。 でも、だんだん時間を費やしてプラスを増やしていけば最後は心地よい信頼を得ることができます。 そのために、お客も苦労するのです。

 虐げられても都を守り通した京都人は、自分を守る、ということに敏感です。 ダイナミックな身体で踊りまくる褐色のラテン美人と、向こう側が透けるほどに白い京おんなの端正なきもの姿とでは、共通点はなにもありませんが、個人主義と「自己防衛」といった点は、しっかり両者に根付いていて、プラス思考を呼び起こさせるのでしょう。 信頼とは大事なものです。 それだけに簡単に築き上げることのできるものではないのです。

 かけひきにおいて京都人が長けているのも、プラス思考がうまく働いて、最初はゼロから出発するという習慣が身についているからかもしれません。

市田ひろみ著「ええ女の作法四十四の極意」より

京都人とラテン人、思わぬところに共通点があったのですね。 初対面同士ではお互いの評価は「ゼロ」。 これはその人の家柄や職業上の立場等の肩書きに左右されない対等な関係だと考えると、面白い見方ですね。 相手に求め過ぎたりせず、いい所を見出してプラスしていくのはなかなか前向きな発想ではないでしょうか。 こちらの気持ちもその方が楽しくなるかもしれないし、どんな人と出会っても、恐縮するような事も少なくなるでしょう。 人と人との出会いを大事に、実りあるものにしていきたいものですね。

まとめ:e京都ねっと 小山



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