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京のお話

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茶の湯入門
第3回【お茶ってムズカシイものではありません?】

お茶のお稽古をしていて「晴れの舞台」といえばやはりお茶会になる。 正確に言えばお茶事のほうがよりフォーマルではあるけれど、一般人はそうそうお茶事に招いてはもらえない。 それでもお茶を楽しみたいと考える人は大勢いて、略式のお茶事(お茶会)がさまざまな場所で開かれている。

 お茶会は正式なお茶事の簡略版であり、その省略のしかたはその時々で違う。 一番よいのは、お茶事のルールを知っていて、「今日はここが略されているな」とか、「ここが合体したな」とか、その変化を吸収していくことのようだ。 <型>を重んじる世界ではあるけれど、<臨機応変>もできなければ気の利かない愚か者、という烙印を押されてしまう。

 お茶会のお客の数多いほど、<お茶席に入ってお菓子とお茶をいただいて帰る>というだけになる。 言い出せば細かなお作法はあるけれど、特に難しいことはないといっていい。 逆に言えば、作法を知らない人が隣に座っても、恥をかかせることなく無難に席を進行させられるのが、座を共にするお茶人の嗜みだと思う。

 作法、作法というけれど、流儀が異なれば作法も異なり、これが絶対というような所作はない。ただ一点、皆で快くお茶をいただきましょうという心だけが、流派に属してもいなくても、どんな流派でも、お茶席を共にしたすべての人々に一致するのだ。

 どんなにキャリアの長い方でも、尊敬する茶人でも、失敗談はたくさんお持ちである。 失敗を恐れてお茶会に行けなくなるよりも、恥をかきながら覚えていこう、くらいの気持ちでいるほうがいいのかもしれない。

普段松村栄子著「ひよっこ茶人の玉手箱」マガジンハウスより

まとめ:CyberDecker田村敦美

松本栄子

1961年静岡県生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒業。 90年「僕はかぐや姫」で海燕新人文学賞、92年「至高聖所」で芥川賞を受賞。 主な著書に「僕はかぐや姫」「至高聖所」「セラヴィ」「あの空の色」「001にやさしいゆりかご」「生誕」などがある。

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