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【第11回 京風のコミュニケーション】

市田ひろみさんの

第11回 京風のコミュニケーション

三味線の会や踊りの会などでそのできばえが素晴らしかったとき、京都の人は
にっこり笑って、「まあ、おみごと」。
この言葉は「感心しました」という相手への敬意がこめられた最高の賛辞なのです。
 

それよりは劣るけれど、やはりいいできばえのときは、「あぁ、よろしおすな」となります。
その下になる と、「まあまあどすな」。
人から「まあまあどすな」と評されたら、関東の人は「自分は平均点かな」と思うようです。 
「まあ、いいんじゃないの」と解釈するのでしょう。


しかし、京都で「まあまあどすな」と評されたら、それは平均点より劣るという意味です。
学校の成績の 「優」「良」「可」「不可」の四段階評価にたとえたら、「まあまあどすな」は
ぎりぎり及第点の「可」。
 つま り、「もっと勉強おしやす」という意味なのです。


さらに、その下は「もうひとつどすな」といいます。これは四段階評価でいえば、
赤点の「不可」ですから、もう一度しっかり勉強をやり直しなさいという意味です。
しかし、「あかん」というストレー トな表現と比べたら、「もうひとつどすな」には
励ますような優しい響きがあります。


京都の人は人を悪く言うときでも、ダイレクトにはいいません。
例えば、「私、あの人が嫌いやねん」といいたいときには、「私、あの人が好きやないねん」
やんわりいいます。意味は同じですが、ニュアンスが違 います。感情をあらわにしない
さりげない表現のほうが、大げさな表現より相手の信頼を得られ、効果があるのです。


さりげなくほめ、さりげなく伝える、相手の真意を察し合う京風のコミュニケーションは、
大人のコミュニケーションでもあります。


大人になると、あまりストレートにものをいわないものです。
人は面と向かって厳しいことは言わなくなり、婉曲表現がふえていきます。
それは人間関係 を円滑にするコツでもあるのです。
しかし、耳に優しい相手の言葉に甘えず、自分自身について反省を忘れないことは、
大人のたしなみでもあるのです。  




市田ひろみ著「ええ女の作法四十四の極意」より


大人社会の会話を京都弁に直すと、京風のコミュニケーションに近くなる様です。
自分の仕事を周りの人に評価してもらう時はどきどきしますね。
「まあ、い いんちゃう?」と言われたら、一時はほっとしますが、「本当はもう一つ
工夫しないといけないのかな」と考えてみる事も大事なんですね。
皆さんにとって、私のコラムは京風でどのくらいですか?

まとめ:e京都ねっと 小山


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